切除不能なメラノーマ患者に適用できる~内服薬と点滴薬

皮膚がんの一種「メラノーマ」は、特に悪性度が高いといわれています。
急速に進行する上、リンパ行性、血行性に転移しやすいからです。
気が付いた時には、すでに末期になっており、手遅れの状態になっていることも多いです。

そのため死亡率が高く、2013年の死亡者数は700人弱と多く、2000年頃と比べると約2.5倍増加しています。

治療には外科的切除、放射線療法、化学療法、分子標的治療、免疫療法があります。
発見が早ければ切除して根治も望めますが、もはや切除できない病状になっている場合は他の治療法を試すことになります。

そして、切除不可能なメラノーマを対象にした新薬が2種類登場して、治療効果が期待されています。

点滴役の「ニボルマブ」

一つは、2014年9月に発売された小野薬品工業の「ニボルマブ」(一般名)。
これは点滴薬です。

がんに直接作用するものではありませんが、がん細胞が免疫機能から身を守ろうと講じている防御機構を破壊して、免疫の働きが通じるようにする働きがあります。

内服薬の「ベムラルフェニブ」

もう一つは、2015年2月に発売された中外製薬の「ベムラルフェニブ」(一般名)です。
こちらは内服薬で、特定の遺伝子異常を目標にして癌の増殖を抑える「分子標的薬」になります。

この薬品は、メラノーマの中でも「BRAF遺伝子」に変異のあるタイプの患者さんのみが投与の対象です。
臨床試験の結果では腫瘍の縮小効果が従来の標準的な薬を大きく上回ったとのことです。

適用できる場合は限られるものの、高い有効性が期待されます。

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