皮膚がんの中で最も性質の悪いメラノーマ(悪性黒色腫)
皮膚科の医師の中には、「メラノーマ(悪性黒色腫)は、がんの中でも一番凶悪な病気の一つ」
という先生もいるほどタチの悪い病気です。
「ほくろのがん」と言われるメラノーマは、発症初期ではほくろと見分けがつきにくく、痛みもかゆみもないからです。
普通のほくろだと思って美容外科で切除手術してしまい、
逆に悪化するケースや、
がんと気づかないまま進行していき、分かった時には末期で手遅れになってしまうこともあります。
原因は、ほくろやあざなどの黒い色素(メラニン)を作るメラノサイトという細胞がガン化してしまうことです。
メラノーマができやすい部位は、顔、背中、下肢など、直射日光がよく当たる場所です。
このほかにも、手の平、胴、背中、頭、頭皮、腕、足の爪などにも発症します。
このがんの特徴は、ごく初期の小さいうちから
リンパ管や血管を通って全身に転移しやすいことが挙げられます。
その数は3割を占める調査結果があります。
子供から高齢者まで幅広い年代で発症しますが、
足の裏や手の平に限れば90%以上が60歳以上という報告があります。
男女差はないようです。
日本人の罹患率は10万人に2人くらいの割合だそうです。
少ないように思われますが、
年間に1,500~2,000人の患者が発症している計算になります。
メラノーマをレーザー治療で除去してはいけません
ほくろ除去の治療をレーザーで行っていいのは普通のほくろの場合です。
もしも、そのほくろが悪性腫瘍であるなら、レーザー治療をしてはいけません。
ホクロの多くは良性の腫瘍だと述べましたが、(→参照)
その中には悪性腫瘍も存在します。
ほくろを取り除くには美容整形よりも、専門の皮膚科で行うことをおすすめします。
皮膚科で行う場合には、保険が適用されて、費用が安いからです。
美容整形は最新機器を使用しているため、仕上がりはきれいになりますが、保険は適用されません。
また、専門の皮膚科で治療すべき一番の理由として、ほくろが良性か悪性かを検査で見極めてくれることが挙げられます。
もしエステサロンなどでメラソーマにレーザーを当ててしまったら大変です。メラノーマはレーザーなどでは完全には除去できないばかりか、
細胞自体も傷ついてしまいますので、進行度が悪化する恐れがあります。
きちんとした専門医に診断してもらった方が安心できます。
メラノーマには抗がん剤も効かない
怖いことに、メラノーマには従来の抗がん剤が効き目を発揮しません。
つまり、切除するしかないということです。
ひとたび転移してしまうと、もは打つ手がなく、最悪のがんと呼ばれていました。
しかし、2011年にアメリカで延命効果のある2つの分子標的薬が承認されました。これから研究が進めば、診断と薬の進歩で助かる率が上がることが期待されます。
あのニュースで得する人損する人~メラノーマに対する抗がん剤の効果と新治療薬