あのニュースで得する人損する人~メラノーマに対する抗がん剤の効果と新治療薬

H26年9/18の“あのニュースで得する人損する人”で、
メラノーマについて」の特集がありました。

2012年の統計では、メラノーマと診断された人は約1,400人おり、死亡者数は約700人にものぼるそうです。
いかに死亡率の高い、注意すべき皮膚ガンかがわかります。

転移の頻度がとても速く、あっという間にステージが進行してしまいます。
さらに、見た目が小さくても転移しやすい特徴があります。

危険な4つの特徴

メラノーマの危険な特徴を4つ挙げます。

1:発見しづらい場所にできる

日本人は、メラノーマが手足にできることが多いです。
特に足の裏に頻出します。
普段目につかない場所ですので、発見が遅れて、その間に悪化してしまうのです。

足の裏や背中、顔のシミなど、特に気を付けておく必要があるでしょう。
なにせ、痛みやかゆみといった自覚症状がないがんですから。

2:短期間で大きくなる

これが、普通のほくろとメラノーマを見分ける大きなポイントです。

メラノーマは、数ヶ月で2~3倍に大きくなります。
成長の速度に要注意です。
気になるほくろやシミがあったら、その変化スピードをデジカメなどで記録しておくのがいいと思います。

3:直径7ミリを超えたら要注意

メラノーマが全身に転移するかどうかの目安になるのが、その大きさです。
直径7ミリを超えていたら危険信号。
転移の危険性が高まります。

★メラノーマが転移しやすい理由

皮膚の構造は、体の表面側から、「表皮」「真皮」「皮下組織」の層になっています。
メラノーマができるのは、「表皮」ですが、進行して大きくなっていくと、「真皮」に浸潤していきます。
「真皮」は血管やリンパ管が通っている場所なので、そこまで達してしまうと、がん組織が血管を通じて転移してしまうのです。

メラノーマは外から見ただけでは、どのくらい内側に入り込んでいるか判断できません。
手術で切除し、病理検査しないと診断できないのです。

ですから、早期発見、早期治療が、何よりも重要になります。
初期段階で切除するのが、最も有効な対策なのです。

4:抗がん剤がほとんど効果なし

メラノーマが胃がんや肺がんと違って恐ろしいのは、抗がん剤がほとんど効かない点です。

そのため、ほかの臓器に転移してしまうと抗がん剤治療の効果が上がらない事態になります。

でも、メラノーマに効果が期待できる新薬の製造販売が承認されました。

メラノーマ治療に新治療薬「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)

2014年7月、厚生労働省が小野薬品工業の「抗PD-1抗体」を治療薬として承認しました。
製品名は「オプジーボ」(一般名:ニボルマブ)です。
年内の流通が見込まれています。

見分けるための3つのポイント

ここで改めてメラノーマを見分けるポイントをまとめてみます。

  1. 大きさの変化

まず、1の形です。
 通常のほくろ:丸くて割と境界が鮮明
 メラノーマ:いびつ、左右非対称、周りがギザギザ

次に、2の色。
 ほくろ:色にムラがなく、均一
 メラノーマ:濃淡がある。色の染み出しがある。

そして、3の大きさの変化

2~3ヶ月の間に急激に巨大化したら要注意。

上記のような特徴があれば、皮膚科に行って診察してもらいましょう。

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